GNSS精度に関してGNSS

GNSSの精度関しての質問で一番多いのは、「精度はどのくらいですか?」と言う質問です。素朴な質問ではありますが非常に答えにくい質問でもあります。
この質問の前提には、既知の座標があり、そこにGNSSを設置して計測した場合に既知座標との差がどれ位か?と聞いている場合がほとんどです。
この質問の答えは「既知座標がどのようにして得られたか」によって変わります。
基準点を設置する方法としてはいくつかの方法がありますが、精度(整合性)の観点から見て大きく以下ふたつの方法があります
1・近くの三角点又は基準点を基にTS又はGNSSによる基準点測量で得る方法。(座標算出の基は近くの基準点) 従って近くの基準点との整合性は良い。
2・電子基準点を基に基準点測量をおこなって得る方法。(座標算出の基は遠くの電子基準点)当然、電子基準点もしくは電子基準点を基に設置した基準点との整合性が良い。
近くの基準点と遠くの電子基準点の整合性の問題については、基準点の設置された時期、観測方法によって大きな誤差を生じる場合があります。公共測量作業規定では座標は水平位置の標準偏差10cm、標高の標準偏差は20cmと規定されており、この範囲内であれば正しいと言えます。

また、GNSSで座標を求める際の観測方法に拠っても異なる結果が得られます。
ローカルRTK、GNSSスタティック測量の場合、基準とする座標との整合性は数センチ以内で求められますが、NRTKで求められる座標は電子基準点を基に算出されるので、水平位置で10cm程度異なる可能性があります。それでも精度が悪いとは言えません。両方とも正しいのです。GNSSでの観測には上記の誤差が発生する可能性について理解して運用することが重要です。例えばNRTK観測の際には基準点を観測して誤差をチェックしてから進めるなどです。

RTK(NRTKも含む)観測に際しての留意点

RTK観測で得られた座標は数センチ以内とされていますが、データは衛星の配置、衛星数、 周りの環境によってデータにバラツキが発生します。

2月22日 8:51~8:58 GPS 9 GLONAS 5  (DOPが良い事例)

2月21日 18:33~18:51 GPS 5 GLONAS 5 (DOPが良くない事例)

以上のようにDOPが良くない観測では明らかにデータのバラツキが大きくなります。

観測環境として良いとは言えないものの実際の現場ではもっと環境に恵まれないケースが考えられます。GPSのほかにGLONASも使用できるようになって観測環境の制約は緩和されたとは言え、衛星の多い=DOPの良い時間帯に観測することが重要なことに変わりありません。

GNSSの最新システム

GPS、GLONAS衛星は上空にのみあることから、水平位置に比べて標高の精度が劣っていることは事実です。 Z+はTS出来形の観測に使用できるほどに(5mm以内)標高を高精度に観測可能にしました。これはレーザーレベルによってGNSSの標高データを補正するもので、土木測量において大いに威力を発揮すると期待できます。

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